物性のお話~粘度 その1 「粘度あれこれ」~

loyd皆様が多糖類を使うとき、最もシンプルな目的は「粘度を付ける」ことではないでしょうか。
粘度とは何か?と、改めて調べると「流体の流れにくさ」1)と書かれています。つまり、液体にねばりを出して「ドロドロにする」という訳です。

ところでこの粘りのある液体を表現する為に使用した「ドロドロ」という言葉、この言葉を聞くと、どんな状態の液体をイメージしますか?
1例ですが、「ドロドロ」と聞いてイメージする液体は、一般的な化粧水と乳液のどちらか選ぶアンケートを行うと、多くの方が乳液のような状態と回答すると思います。「ドロドロ」という言葉は粘度が高い状態を表す言葉として多く使用されるのではないでしょうか。その他にも粘度が高い状態を表す言葉としては、とろり、ねっとり、ねばねば、ニチャニチャ、べたべた、ネチャつく、ぬらぬら、などが使われます。こういった言葉は少し専門的な用語でオノマトペ(擬態語、擬音語)といいます。日本語はこのオノマトペが非常に多い言語といわれており、上記の「ドロドロ」以外にも「キラキラ」や「もくもく」、「サラサラ」など非常に多くの状態が表現されています。ただし、この表現方法には明確な強弱や基準がなく、人によって感じ方も大きく違うので、「ネバネバの液体」と「ねっとりした液体」のどちらがよりドロドロしていますか?と聞かれると非常に困ってしまいます。

そこで、わかりにくい「ネバネバの液体」と「ねっとりした液体」ではなく、具体的に水あめとマヨネーズで考えてみましょう。どちらがより、ドロドロしているでしょうか?

この問いに対しては、水あめの方がよりドロドロしていると答える人が多い1)そうです。皆さんはいかがですか?この2種類の液体を次は、実際の粘度の数値を使って正確に比べて見ましょう!

水あめとマヨネーズを瓶に保管しているときの両者の粘度はおおよそ以下の値を示します。
水あめの粘度が10万mPa・s、
マヨネーズの粘度が100万 mPa・s
※粘度の単位[mPa・s]はミリパスカル秒と読み、国際単位系(SI)で定められている単位です。

この結果を見ると、マヨネーズの方が粘度の数値が高く、結果が逆になってしまいました。
この結果の違いは何故起きたのでしょうか??

ポイントは、粘度の数値が「瓶に保管しているときの粘度」であるということ!

その答えは次回の豆知識でお届けします!

参考文献
1)西成勝好, Nihon Reoroji Gakkaishi, 35,1,35(2007)

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