植物由来の新規原料 KT-1505(開発品)

KT-1505は、通常のゲル化剤とは逆の熱応答性を示す、新しい植物由来の多糖類です。一般的なゲル化剤である寒天やゼラチンは冷やすことでゲルになりますが、KT-1505は温めることでゲルになりもう一度冷やせば液体に戻ります。また、このユニークなゲル化性は塩や糖によってコントロールすることが可能です。さらに、最近の研究ではKT-1505のフィルムが耐水性などの特性を持つことも分かってきました。

KT-1505は増粘、ゲル化、フィルム化など、多様な機能で利用が期待できる新素材です。KT-1505が新たな価値を創造し、皆様のお役に立つことを願っています。

01植物由来のノニオンポリマー

KT-1505はタマリンドシードガムの一種であり、下図に示すようなガラクトキシログルカンと呼ばれる構造を持った多糖類です。

タマリンドシードガムは、インドや東南アジアに生育する巨大常緑樹・タマリンド(Tamarindus indica L.)の種子を分離精製して得られる多糖類です。主鎖はグルコース、側鎖はキシロースとガラクトースで構成されており、電荷を持たない水溶性高分子です。

基礎物性

KT-1505は冷やすとゾル、温めるとゲルになります。ここでは、KT-1505の濃度が2.0%までの水溶液に関して、『0℃(ゾル)のときの粘度』および『50℃(ゲル)のときのゲル強度』をお示しします。

各種耐性

KT-1505は耐熱、耐酸、耐塩性に優れています。

耐熱性

80℃4時間加熱処理でも、粘度・ゲル強度ともにほとんど低下せずに安定です。

耐酸性

pH1~11では粘度がほとんど変化せず安定です。また、pH11より高いpHではゲル化しませんが、再びpH11以下に調整すると再度ゲル化します。

耐塩性

塩を20%まで加えても析出は見られず、安定です。

界面活性剤との相溶性

KT-1505は各種界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性)と相溶性が高く、それらを増粘・ゲル化させることができます。また、増粘が難しいとされるアミノ酸系の界面活性剤を増粘・ゲル化させることが可能です。

界面活性剤の種類 相溶性 種類
アニオン性 ココイルアラニンNa
ココイルグリシンK
ラウリル硫酸Na
カチオン性 ベンザルコニウムクロリド
両性 コカミドプロピルベタイン
ノニオン性 デシルグルコシド
ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル
PEG-20ソルビタンココエート
PEG-60水添ヒマシ油
ステアレス-20

※KT-1505濃度 1.25%、界面活性剤濃度:イオン性 10%、ノニオン性 1%