粘度値の変化:ハチミツとマヨネーズの場合
次はハチミツとマヨネーズを比較してみましょう。 ハチミツとマヨネーズをコップに入れて傾けた場合、ハチミツは流れ出しますが、マヨネーズはなかなか流れることはありません。このとき、マヨネーズの方がとろみが強いということが分かります。しかし、この2つの液体をコップの中でスプーンを使ってかき混ぜる場合には、マヨネーズは比較的簡単に混ぜることができますが、ハチミツをかき混ぜるにはかなり力が必要になります。これは、マヨネーズの粘度が、かける力によって変化しているために起きる現象で、コップを傾ける程度の弱い力では高い粘度を示すのに対し、かき混ぜるような強い力では低い粘度を示します。一方で、ハチミツはかける力によって粘度がほとんど変化しません。 このような、与えられた力に関わらず一定の粘度を示す性質を「ニュートン流体」、与えられた力によって粘度が変化する物性の総称を「非ニュートン流体」、その中でも力を加えることで粘度が低下する性質を「シュードプラスチック性」といいます。また、それとは逆に力を加えることで粘度が増加する性質を「ダイラタント」といい、50%濃度程度の片栗粉分散液などがこの性質を示します。

この他にマーガリンのように一定以上の力を加えるまではまったく動かないものを動かすために必要な力を「降伏値」といい、降伏値以上の力をかけた場合にニュートン流体の性質を示すものを「ビンガム流体」、降伏値以上の力がかかった場合に、力によって粘度が変化する液体を「非ビンガム流体」といいます。