多糖類は安全か?

現在使用されている多糖類の多くは、天然物を起源としています。特に多糖類の原料を入手できる原産国では、古くから食されているケースが多く、一般的に安全性は高いと考えられます。また、販売される多糖類の多くは欧米をはじめとした世界中で許可されています。 多糖類の安全性に関する1つの指標として、ADI値(1日摂取許容量)をご紹介します。食品添加物に対して行われる安全性に関する評価結果で、JECFA(国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)が設けている、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議: Joint Expert Committee on Food Additives)が評価結果を公表しています。 ADI値とは、慢性毒性試験などにより総合的に判定される数値で、一生涯毎日摂取してもなんら毒性を生じなかった最大投与量(mg/体重kg)とされています。 多糖類におけるこのADI値ですが、大部分の多糖類がADI値を「特定しない」と記載しています。「特定しない」とは、摂取量の上限値を数値で明確に定めない、極めて毒性の低い物質に限られる評価です。これは、食品中に常在する成分、又は食品とみなし得るもの、もしくは人の通常の代謝物とみなせるものに設定されます。化学的、生物学的、毒性学上の得られたデータを基に、多糖類を使用する目的の効果が得られる必要な量の範囲で、その物質の使用、及び食品中に存在するものからもたらされる当該物質の毎日の摂取が、健康に危害をもたらさないことが示されています。   ここで述べた値は、多糖類の安全性に関する1例ですが、多糖類自体が何十年間も使用・摂取されているものが多く、最近では食物繊維としての機能も見直されるなど、高い安全性を持つと考えられます。

多糖類が使用されている分野

多糖類は非常に多彩な分野で、様々な目的で使用されています。そこで、一例として以下に食品製造における使用分野とその機能を示します。

実際の食品の使用例としては、以下の通りです。

  • ジャムやフルーツソース
  • タレ、ソース
  • デザート(ゼリーやプリン)
  • 介護食、えん下食
  • 酸性乳飲料
  • 小麦粉加工品
  • 佃煮
  • 漬物
  • 冷菓
  • 冷凍食品
  • フィリング
  • 麺類
  • 畜肉製品
  • 飲料
  • ドレッシング類
  • 製菓・製パン