工業薬品-HEC~ヒドロキシエチルセルロース-


最近、タマリンドシードガムの話題が多いロイドくん。けど寒くなってきたせいか、少々風邪気味の様です。少し様子を見て見ましょう。


ロイドくん:へ…へ…ヘックショーイッ!!

エコーちゃん:というわけで今日はHEC(ヘック)の話をするよ!!

デントくん:えええ…。

エコーちゃん:で、なんでHECの話するの?

デントくん:(それ、エコーちゃんが聞くんだ…)

ロイドくん
そうさのう。実は今まで多糖類の食品、化粧品用途の話はしておったが、工業薬品に関しては全く話してなかったことに気づいたんじゃ。工業薬品で使用されておる多糖類の話をするならば、まずは使用量の多い、HECが良いかと思ってのう。

デントくん:なるほどー。

ロイドくん:というわけで、今回はHECの話じゃ。HECについて何か知っておるかの?

デントくん
ええと…。確かHECはセルロースを化学修飾してできる、ヒドロキシエチルセルロース(Hydroxy Ethyl Cellulose)の略名ですよね。ノニオン性(中性)の増粘剤で、他の材料との相溶性が高いのが特徴なんですよね?

ロイドくん
素晴らしい。ちょっと補足すると、分子量やエーテル化度、モル置換度によって粘度やシュートプラスチック性、溶解性も異なる。カチオン化HECなるものもあるのう。添加量と合わせて、様々な物性デザインが可能なんじゃ。

エコーちゃん:えーてる?? もる?? しぇ…あ? かゆ…うま…。

デントくん:ああ…しっかり…。

ロイドくん
微量の塩類をなめさせてあげるんじゃ。エコーちゃん(キサンタンガム)はアニオン性(マイナス荷電)じゃから、塩類と反応して(粘度が)強くなったり、各種耐性がつくはずじゃ。

デントくん
なるほど。アニオン性多糖類は塩類や金属イオンとの反応性があることが利点だったり、欠点だったりするんですね。

ロイドくん:そういうことじゃ。エコーちゃんには一価の陽イオン…食塩くらいがいいじゃろう。どれ…。

エコーちゃん:…ハッ!! 今、バニラ色の美味しそうな空を私、飛んでた…。

デントくん:トんでたんですよ…。

ロイドくん:バニラ色と言えば、HECの用途で最も大きいのは塗料や接着剤への増粘、分散安定だそうじゃ。

デントくん:今調べてみたんですけど、化粧品用途だとカチオン化HECが使われているみたいですね。用途は…シャンプーとか?

ロイドくん
増粘、懸濁安定はもちろんのこと、マイナスに荷電した髪にカチオン化HEC(プラス荷電)が作用し、指通りをよくするんじゃろう。
わしの髭もその恩恵を受けておる。

エコーちゃん
そうなんだ!!今日はむずかしいお話で疲れちゃったから、おうちに帰ってカチオン化HECの入ったシャンプーでヘアケアしよーっと。
じゃーねー♪

デントくん:いや…、エコーちゃんはアニオン性だから…凝集しちゃうんじゃ…。




多糖類の電荷って、重要なファクターなんですね。エコーちゃんの髪は果たして無事なんでしょうか
次回はまたタマリンドシードガムの話題に戻ろうかと思います。

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