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多糖類の特性~多糖類の相乗性について2「製品の組み合わせ」~

物性

前回の豆知識では、キサンタンガムとグァーガムの相乗性に関して、同一製品同士の反応性であっても、ロット間差があるとの試験結果をご紹介しました。今回の豆知識では、それぞれの配合原料製品を切り替えた際のロット間差や組み合わせによる差異についてご紹介します。

 まずは、前回の豆知識で使用したグァーガムAを別の会社で製造されているグァーガムBに変更し、同じキサンタンガムaの各ロットとの相乗性を同じ条件で測定しました。

グァーガムA、Bとキサンタンガムa各ロットの相乗性試験結果

前回の豆知識でご紹介したキサンタンガムaのロット1~3を同様に使用し、測定を行ったところ、グァーガムAとBではグァーガムBの方が全体的にキサンタンガムとの相乗性が高く、キサンタンガムaの相乗性ロット間差は同様の傾向であることが判明しました。

   次に、キサンタンガムaを別の会社で製造されているキサンタンガムbに変更し、グァーガムA、Bの相乗性と比較してみましょう。比較する数が多くなるため、キサンタンガムaはロット1を使用し、キサンタンガムbも1つのロットで比較を行います。

グァーガムA、Bとキサンタンガムa、bの相乗性試験結果

得られた試験結果を見ますと、全体的にはキサンタンガムbの方がグァーガムとの相乗性が高く、グァーガムの違いによる粘度差がキサンタンガムaよりも小さいことから、キサンタンガムbはグァーガムの持つ相乗性の違いによる影響を受けにくいキサンタンガムであると考えられます。
 しかし、キサンタンガムaにおいてはグァーガムB(青線)の方がグァーガムA (赤線)よりも粘度が高く相乗性が高いと考えられますが、キサンタンガムbにおいてはグァーガムA(緑線)の方がグァーガムB(黄線)よりも粘度が高く、相乗性の強さが逆転しています。このように相乗効果にはまるで相性のように、製品やロットによって傾向が異なることがあるので、注意が必要です。
 
最後にキサンタンガムとローカストビーンガムの反応性をご紹介します。キサンタンガムは同一製品の1~4の4ロットを使用し、1種のローカストビーンガムとの反応性を確認しました。


ローカストビーンガムとキサンタンガム各ロットの相乗性試験結果

得られた結果から、ロット4は他のロットよりも反応性が低く、ロット2はローカストビーンガムとの配合比による相乗性の変化が他ロットの傾向と異なっています。このように、同じキサンタンガム製品を使用しても相乗性にはロット差が存在することは明らかでした。
  
 多糖類は天然物由来であることから、こういったロット間のバラツキが生じることは仕方ない側面があります。そこで、こういった多糖類の持つ相乗性のバラツキを緩和するため、相乗性を活用した配合剤も種々のものが各社より販売されています。弊社でもミニット®やゲルメイト®といった配合剤を販売しており、一定の規格幅内に粘度やゲル強度がおさまるように原料や配合比が設計されています。様々な多糖類を用いて、最適な使用方法や組み合わせを検討すると共に、こういった配合剤が皆様の商品開発の助けになれば幸いです。

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