物性のお話~粘度 その4 「ニュートンではない液体達」~
物性
今回は、様々な流体の特性を改めてご紹介します。プレゼンターは前回の豆知識でご紹介したエコーちゃんとロイドくん。ロイドくん:
まずは、基本となるニュートン流体から話を始めようか。私の名前の由来にもなっている当社商品グリロイド®の原料「タマリンドシードガム」が示す特性で、どうやって力をかけても粘度が一定という性質を示すんじゃ。最も身近な液じゃと「水」がこの性質を示すのぉ。
エコーちゃん:
じゃあ次は、私の名前の由来になった当社商品エコーガム®の原料「キサンタンガム」の溶液が示す特性の話をするよー。シュードプラスチック性って言って、液に力がかかると粘度が下がる性質を示すんだ。ケチャップやボールペンのインクにこの特性は利用されているんだよー。
ロイドくん:
フムフム。エコーちゃんもしっかり勉強しておるのぉ。では、もう1つくらい何か教えてくれんか。
エコーちゃん:
えへへーじゃあ、シュードプラスチック性に似たチキソトロピー性を説明するよー。チキソトロピー性はシュードプラスチック性と似ていて、液に力がかかると粘度が下がるんだけど、時間の経過でも粘度が変化するのが、チキソトロピー性なんだー。かき混ぜて下がった粘度が、しばらく置いておくとゆっくりと回復したりするんだよー。
ロイドくん:
なるほどのぉ。では、その特性はどんな場面で利用されているんじゃ?教えておくれ。
エコーちゃん:
え・・っと・・・わかりませんー。ごめんなさいっ。
ロイドくん:
こらこらエコーちゃんや、そんなに落ち込まなくてもいいんじゃよ。
エコーちゃん:
はぁい。。。じゃあ、何に使われているか教えてくださいっ!
ロイドくん:
切り替えの早い子じゃなぁ・・・。さて、チキソトロピー性はインクや塗料で重要な性質なんじゃ。塗料を壁などに塗る前に良くかき混ぜることで粘度が低下し、塗りやすくなるんじゃが、塗った後に粘度が再び高く回復するので液がたれにくいんじゃ。
エコーちゃん:
ひゃーすごいですねー。ペンキを塗る前にかき混ぜることに、ちゃんと意味があったんですねー。その他にはどんな特性があるんですかー?
ロイドくん:
今までのものと似ている特性として、ビンガム流体という液があるのぉ。これは歯磨き用のペーストやバターのように、何もしないときには固形のようなんじゃが、一定以上の力を加えると、液体としてふるまう特性なんじゃ。この動き出すのに必要な力を降伏値と言うんじゃよ。
エコーちゃん:
へー確かにバターなんかは、最初は固形っぽいけど、ナイフで伸ばして塗れるもんねー。他にはないのー?
ロイドくん:
では、最後はこれまでとはまったく逆の特性を示す、ダイラタント流体を紹介しよう。この特性は、これまで紹介した特性とは異なり、力を加えることで粘度が増す性質を示すのじゃ。その特性から防弾チョッキなどにも使用されるんじゃが・・・・・試しにダイラタント流体の特性を示す液を大量に用意したので、ちょっとその液体の上で踊ってくれんか??
エコーちゃん:
えーいやですよー。液体の上になんてのったら、沈んで濡れちゃって大変じゃないですかー。
ロイドくん:
大丈夫じゃよ。この液はウーブレックとも呼ばれる不思議な液体じゃから、素早いステップを踏めば、かたくなって沈まな・・・・・。
エコーちゃん:
きゃーほんとだーっ!私液体の上で踊ってるー!すごーいっ!
ロイドくん:・・・・・・・・・・。
2015年10月10日更新予定の次回豆知識は、もう少しまじめに弾性のお話をする予定です!